風邪

一日中寝て、本読んでた。アービングの「ガープの世界」を読んだ。シュールなストーリーだが、作家の視点は常識的で暖かい。なかなか面白い小説だった。


ガープの父親はアメリカ空軍の軍曹で、ヨーロッパ戦線で脳にダメージを負う。精神が退行し、赤ん坊のようになってしまい、負傷した直後からずっとマスターベーションに耽り、言葉は「ガープ」しか話せなくなる。数日か数週で死に至る事は明らかだった。
ガープの母親ジェニーは看護婦でガープ軍曹を看護していた。ジェニーは「変わった」女だった。処女だった。
彼女の自伝によると「この心の汚れた世界においては、だれもがだれかの妻か情婦になり、あるいはどちらかになろうと躍起になっている。わたしは仕事をもちたかった。そして独りの生活がしたかった。そのため性の容疑者とされてしまった。それでもわたしは子供が欲しかった。でもそのために自分の肉体や生活を他の男とともにするのはイヤだった。そのためにもわたしは性の容疑者とされてしまった。」
ジェニーにとってガープ軍曹は理想的な夫だった。ジェニーは死期の迫ったガープ軍曹を犯し、一回で身ごもった事を確信した。


ムチャクチャなストーリーだ。面白いけど。こんな女が実際にいたら、「心の汚れた」俺は、怖くて近づけないだろうな。
昔、「男になんて興味ない。男なんてみんな猿じゃん。」っていう面白発言をしたC年女子がいたな。
当時この小説を知ってたら、看護婦になることを強く勧めてあげられたのにな。今ごろどうしてるかな。ジェニーみたいになってたら尊敬するが。彼女に幸あれ
そういえば、2年位前の某C女も「私は一生男なんていらない。処女のままがいい」とか言ってたような。。。
猿であるところの世の男性諸君、とりわけ看護婦に萌えを感じる諸君は、ガープ軍曹みたいになれば看護婦に犯してもらえるかもしれないよ?



ガープ軍曹とジェニーの子はガープと名付けられる。彼は作家として成功し、学生時代の憧れの女ヘレンと結婚する。そのときガープがヘレンに送った手紙にこうある。
「作家はだれかと生活を共にすることが絶対に必要であり、ぼくはきみと生活を共にしたいと思う。結婚してもいい。というのも、セックスはどうしてもなくてはかなわぬものだが、どこでセックスを手に入れるか、四六時中、計画を練っていたりすると、時間がかかってしようがない。それゆえ、いつも手もとにセックスをおいて生活するに若くはないのである。」


ほう。結婚とはそういうものだったのか。知らなかったわー。まあ、そういう側面も否めない。つまり便利という事か。お互いに。飽きなければ。
世の女性は大激怒だね。いや、俺の意見じゃない。本の中にそういう一節があったってだけだ。


まるで性が全ての不幸の根源であるかのように、ガープ一家には性に絡んだ様々な不幸が襲いかかる。
友人夫婦の離婚の危機を救うために、スワッピングしたり。妻が中で浮気してる最中の車に、ガープが息子2人を乗せた車で突っ込んで、妻が浮気相手のものを噛みちぎってしまったり。そのとき息子の1人は死に、もう1人は片目になったり。結局ガープ自身も初体験の相手の妹に射殺される。


昔読んだ本だから自信ないけど、トルストイが人類の究極目標は性欲を無くす事だって書いてた気がする。本気の主張として。
それが達成されたら当然人類は滅ぶ事になるが、トルストイに依るとそれでかまわないらしい。なぜなら究極目標を達成したら、もう存在価値がないかららしい。
確か。記憶違いかも。トルストイじゃないかも。
まあ、性欲を無くしても人間が幸せにならない事は古代中国の醜悪なカンガン(漢字出ない)が証明しているが。
なんでこんな話になってるんだ?結婚とか性欲とかわりとどうでもいいと思ってるのに。1日中寝てて暇過ぎるからだな。
とはいえ、風邪の時は妻が欲しくなるな。