左手を制する(※注 マニアックトーク)

ドラムを始めてからずっと課題だった。左手が。誰もが考える事だと思う。
ドラムを叩く上で右手と左手は役割が違う。
右手はシンバル、左手はスネアを叩いている事が多い。右手は繊細さとスピード、左手はパワーが求められる。だから左手が全く動かなくてもジャンルによってはある程度まともなドラムが叩ける。
とはいえ実際一流ドラマーは左手もしっかりしている。ジャズドラマーはもちろんロックドラマーも。そもそも本当に美しい無駄のないストロークはどんな役割にも対応できるのだ。
ところが俺は左手がマジ動かない。だからずっと試行錯誤してきた。
根本的に不器用なのがいけないのかと考え、普段の生活から左手中心に過ごしてみた。箸、ペン、鍵、鞄、マウス、リモコン、携帯などなどを左手で持つようにしてみた。だが、なかなか上手くならない。何かと作業がはかどらないし。
次にレギュラーグリップの方が自分に向いているのではないかと考えた。一年位ロック以外はレギュラーで演奏してみた。ダメだった。マッチドは速く叩けるが、パワーがでない。フワフワした感じになる。
そもそもレギュラーの方が簡単なんだと思う。不器用だがパワーがあり、速く複雑なフレーズを叩きたい人はレギュラーでいくべきだ。つまり一般的に日本人にはむかない。
レギュラーはやめた。マッチドに戻した。次は人差し指と中指のどちらを支点にするかで悩み続けた。人差し指だとフィンガーストロークに有利で速く細かく叩ける。フレンチグリップ気味になる。中指だと開放的で大きい音がでる。ジャーマングリップ気味になる。
両方上手くなりたかった。実際曲の中では両方使っていたが、どちらかを自分のスタンダードにしないと上達しないと気付いた。
というわけでこの一年は割り切ってフレンチに集中して支点をしっかりする練習をしてきた。随分左手が安定した。一般に中級者の壁と言われる、BPM100で32分のシングルストロークを安定して持続的に叩けるようになった。左手スタートでもできるようになった。
だが、今105の壁で跳ね返されている。1分位しか続かない。フィンガーストロークが下手なのが原因らしい。支点は安定してきたので、当分はフィンガーストロークが課題になるかな。1年位。成長遅いな、俺。