こうして疲れきった体で

家に帰っても眠れないんだ。もし練習がなくても眠れないんだ。気持ち悪くて。知ってるよ俺は。
昨日はラジオからバラードが流れてた。高校生の頃に流行った感動的なメロディー。何も言わなくても、お互いその曲を知ってる事を知っている。偶然にその曲が流れた事を感傷的に喜んでいる事を、お互い何も言わなくても知っている。
昔はその曲がチャートにランクインしてるってだけで、否定的に論じた。今はもっと素直にまあ、やっぱり良い曲だよね、って言えたりする。
しかし、こうして疲れきった体をして壱岐坂を登らしめ、汚れきった肝臓をして更なるアルコールを分解せしめ、さあ、家にたどり着くぞという段階になると、感傷的なバラードなんかいわばウコン以下なんだ。下北以上原宿未満。ウンコ以上ウコン未満。