目覚め

目が覚めたら隣に平井アナがいた。彼女は静かに眠っていた。僕はそっとベッドを抜け出して、キッチンで煙草を吸いながら、コーヒーを淹れる。コーヒーが入った大きなマグカップを両手に持って、ベッドに腰掛ける。平井アナの寝顔を見ながら少しだけコーヒーを飲む。そして彼女の頬をつついて起こす。平井アナは寝起きを見られる恥ずかしさからか、ちょっとすねたように唇を尖らせ、布団に潜り込んでしまう。僕がカップを2個持っている事に気がついて、嬉しそうに布団から顔だけ出して、ありがとうと言って、カップを受け取り、布団のマントで体を包んだまま、てるてる坊主みたいになって、ベッドの上に正座して、両手でマグカップを持って、ゆっくりコーヒーを飲む。僕は自分のカップを床に放置して、平井アナが着てる布団を奪って、2度寝する。彼女も一緒に2度寝する。すぐに眠り込んでしまう。
目が覚めたら1人だった。床にコーヒーカップが放置されてもいなかった。つまりは夢だった。そんな目覚め。