今日はまだ食事していない。

昨日は食べ過ぎた。だから今日は食べないでおこうかと思っている。つらい。迷う。
1日何も食べないっていう、それだけの事が何でこんなにつらいんだろう。いいことばかりなのに。
①痩せる
②タイトな服が着れるようになる
③お金の節約になる
④時間の節約になる
⑤内臓脂肪が落ちて健康になる
逆に悪いことなんて
①イライラする
②惨めになる
③煙草が増える
④気合いが入らない
⑤お腹が鳴る
このくらいのものだ。食べない方が自分の為になるのは明白だ。にもかかわらずこんなに迷うなんて全く愚かだ。
僕だけではない。ダイエットが出来ない人間達は創造主の操り人形だ。食べ物を手に入れたら余分に食べて体内に蓄えろという、神によって植え付けられたプログラムに逆らえないのだ。
ああ、僕は誰にも縛られたくない。たとえ僕が神の気紛れによって生み出されたコンピューターウイルス程度の存在だとしても。
ああ、神よ。たしかに僕の身体はあなたのプログラム通りに作られたものかもしれない。僕の脳細胞だって、あなたのプログラム通りに生み出され、増殖し、死滅しているのかもしれない。
でも僕は、でも僕は、、大脳感覚野と連合野ニューロンシナプス前部線維末端から化学伝達物質を放出する自由は譲らない。心の自由は断じて譲らないんだ。
僕らの身の回りに起こるあらゆる事件。僕らが抱く全ての感情と思考。それすらも予め定められている。そんな風に主張する人がいるのも僕は知っている。だけど、それでは悲し過ぎるではないか。
そうだ、僕の心の自由を証明する確実な方法がある。つまり自己破壊だ。
そうだ、僕はいつだって最終的な拒否権を握っているのだ。
神よ、よもやあなたは僕を自殺させる為に僕を生み出したわけではあるまい。お前がそんな無駄な事をするはずがない。
僕が自殺したところでお前は悲しんだりしない。かまわない。僕は僕の魂の自由を守るために、僕の身体を破壊するだけだ。
よし、どうせ死ぬなら徹底的に破壊してやる。
内部から破壊してやるんだ。
内臓を押しつぶしてやるんだ。
内臓脂肪をタップリつけてやるんだ。
成人病危険度を高めてやるんだ。
肉だ。肉を持ってこい。肉を食ってやるんだ。
ショコラだ。ショコラ持ってこい。ショコラを食ってやるんだ。