小関夫妻の結婚式バンドの練習

13時渋谷。良く起きれたと思う。久々なメンバー。裕香がC年の時の駒祭音源を持っていて、それで音採りしてきたとか言ってたから、俺がD年の時にはやっているのか。4年以上前に同じ曲を同じメンバーでやっていた事になる。昔の音源はコンクリート詰めにして東京湾に沈めてしまいたい。
とはいえ、当時より上手く演奏出来るかと言えば、そうとも言い切れない。人生の悲哀がここにある。
練習後、バイトまで時間があるので渋谷をうろつく。馴染みのショップを巡って服を探す。スーツ買いたい。一番のお気に入りの店に行く。
いつもの店員と話す。何ともうすぐ閉店するらしい。しかも渋谷店がなくなるだけじゃなくて、ブランド自体が世界中から消滅するらしい。マジかー。今月で閉店って言ったら、明後日までじゃん。大学1年の時から買い続けて7年も通ったのにさぁ。俺に無断で閉店するなんて。
せっかくなので、ここでスーツ買おうと思う。だけど、当然品薄。46のスーツは1着しかない。試着する。涙の試着室。
買っても良いかな。だがしかし、ちょっとドレッシー過ぎるのと、25万円という金額に躊躇させられる。だがしかし、もう手に入らないわけだし、スーツなんてそんなに頻繁に買うわけでもないし。
だがしかし、買わない方が賢明なのは明白だ。ダイモニオンが止めておけと命じている。
だがしかし、ジャケットとパンツそれぞれ分けて着ても良いわけだし。それぞれ格好いいし。


だがしかし、普段着るにはドレッシー過ぎるか。いや待てよ。ドレッシー過ぎる方が衣装としては映えるな。ライブに使える。そもそも結婚式に着ていくスーツがないし。
だがしかし、25万あれば、何人の恵まれない人達が助かるんだ?
いや待てよ、どうせ寄付なんてしないな。
いや待てよ、引っ越し資金も貯めなきゃいかんし。
いや待てよ、男の中に多くのおっぱい星人がいるように、女の中にも多くのスーツ星人がいるかもしれないぞ。だとしたら、普段スーツを着ない僕が珍しくスーツを着るなら、絶対いいものを来た方がいい。おっぱいから始まる恋があるように、スーツから始まる恋があるかもしれない。
いや待てよ、だとしたらその女は僕ではなく、そのスーツを好きになるのではないか。豊かなおっぱいを持って生まれてきた女がおっぱい星人の彼氏に対して「おっぱいが好きなの?それとも私が好きなの?」と尋ねてしまうのと同じ心理だ。
だがしかし、「おっぱいも含めて君なんだよ。」という模範解答と同様に、「スーツも含めて僕」なのではないか。そのスーツが似合うかどうか、そのスーツを選んだ趣味、そもそもスーツを着るのが好きかどうか、などなど。それら全てを含めて僕なのだ。
だとしたら、なおさらスーツ選びには慎重の上にも慎重を期す必要がある。簡単には決められないぞ。


空腹が限界で頭が働かなくなってきたぞ。腹よりも体全体がだるい。重い。力が抜ける。
これ以上渋谷をうろついていたら倒れると確信したので、早めにバイト先に移動することにした。カフェで2時間つぶす。
今日のかてきょー先はいつも食事を出してくれる。だから今日の食事はそれだけにしようと思っていた。指導前に出してくれなかったら死ぬな。
生き延びた。普通に食べた。一日一食は守った。今日の食事は寿司。以上。
飲み物でけっこうカロリー取っちゃったな。缶コーヒー。ミルクティー(ノンシュガー)。アップルティー。お茶。ブラックコーヒー。