朝バイト、昼練習、夜バイト。

音を練習直前に採ってみた。でも叩けなかった。音を採って損した。後悔の念でいっぱいだ。
それにしても下手過ぎですいませんでした。特に中山さん。
中山さんは長年一緒にバンドやってもらってるけど、音を採ってなかった事がない。社会人だったら寝る暇もないほど忙しい時期があるはずなのに。信じられない。
とても真面目なのか。とても音採りが速いのか。とても音採りが好きなのか。いずれにしても偉すぎる。
部会に顔を出したら、まだ時間が早かったのか、月ポン娘4人の他には誰もいなかった。
「あ〜、竹中さん〜!!あっはっは〜!!」
娘×4に意味も無く笑われた後、2種類のチョコを貰った。とりあえずクールを装ってはみたものの、内心とても嬉しかった事は否めない。
だが「早い者勝ちですっ☆」の一言には萎えた。敢えて言わなくてもいい事ってあると思う。
つまり最近の若者は礼儀がなっていないわけで。
いつか俺の真の恐ろしさを思い知らせてやらねばならないわけで。
ところで俺は1番ノリで娘×4からチョコを貰ったわけで。
「早い者勝ち」だとしたら俺は1番の勝者なわけで。
1番の勝者は王様なわけで。
王様は王様以外の人を自由にしていいわけで。
どうしてくれようかと考え中。
単語帳
中山さん…大先輩。
月ポン…月刊POMPのこと。サークルの会報。
音採り…CDなどの音源を聴いて必要な部分を譜面におこすこと。
月ポン娘…月ポンを書く任にあたる娘たちのこと。
クール…つまり俺。俺のこと。キングオブクール。
早い者勝ち…誰でもかまわないこと。
王様…つまり俺。俺のこと。
「わけで。」…見せかけの論理性、北の国から的素朴さ、少々の茶目っ気などなどを文章に与える気がしないでもない魔法のスパイス。「理由」という意味の「わけ」ではない。