買い物のネ申

昨日見つけた可愛いTシャツを買おうと思って、渋谷に出かけた。そのTシャツは残り一枚だったので、もしも売れてしまっていれば、それはそれでお金の節約になるからかまわないかなって思っていた。Tシャツとはいえなかなか侮れない値段なのだ。
店に到着して真っ先に探してみると、残っていた。試着したらジャストサイズだった。ここまできたら買うしかない。人智を超えた何ものかが、俺にこのTシャツを買うように働きかけているに違いない。仕方ないから買った。
せっかく来たから、店の品物を隅々まで検分する。いい感じだ。当分ここで買い物を済ます事になりそうだ。
店の端にセールの品物が少し残っていた。この時期のセール品なんてまともな物が残ってる筈がないと思っていた。
でもセール品は特別気に入った物じゃなくても、普遍的なデザインとカラーであれば、買ってしまう事にしている。そうして買った服が意外に長く使えたりする。まさにそんな品物が残っていた。
黒のカジュアルなパンツが欲しいと思っていて、残り3着のパンツの中にそれがあったのだ。いい物なんだろうけど、何の変哲もないパンツだから、元の値段では買う気にならない。でも半額だ。年明けのセールでも20〜30%しか値引きしない店だから、相当お買い得だ。しかもジャストサイズ。くっそー、ジャストサイズじゃなければ買わないのに。買うしかないじゃないか。見えざる神の手が時空間を超えて、俺の前にこのパンツを差し出しているのだ。仕方ないから買った。
Tシャツを買って、パンツを買ったら、ついでにスニーカーも欲しくなるのが人情というもの。だが浪費し過ぎだ。しかし、俺の周辺視野はこれまたセール品のスニーカーを見つけてしまった。黒のカジュアルなパンツを買った以上、スニーカーはカラフルな外したデザインの物がいい。
あった。明るい緑の毛皮のスニーカー。しかもジャストサイズ。まじか。残り1着のTシャツ・パンツ・スニーカーが全てジャストサイズ。これはどうした事か。ヤハウェの思し召しに違いない。
とはいえ財布に金が残っていない。あー、良かった。これで更なる浪費が防げた。
だがしかし、その店には銀行のキャッシュカードだけで、銀行から直接代金を引き落とせるシステムがあるという。知らなかった。もう買うしかないじゃないか。だってこれは自然原理としてのブラフマンと純粋無垢の自我としてのアートマンの融合の境地である。仕方ないから買った。