セッツァー飲み乱入、人間失格

22時に駅に着いて、どうやって飲み会に乱入するかをチェと相談しながら向かう。
呼ばれてもいない飲み会にいかにして乱入して、いかにして嫌がられないように振る舞うかは、人間としての総合力が問われる課題である。
日本酒飲みながら何事もなかったかのように入っていって、乾杯っ!じゃっ!!って言ってそのまま帰るというグダグダなプランをたてた。日本酒を買った。
家の前まで来てみたものの、ひよってピンポンダッシュして、外でもう一度計画を立て直す。
ピンポンダッシュのせいで余計にハードル上がった。最悪。真冬の寒さにガタガタ震えながら、ああでもないこうでもないと、議論を重ねるがいい案が浮かばない。
もうどうでも良くなって、アドバイス通り家にある猫耳鼻メガネを取って、それをしてじゃっ!!って言ってそのまま帰るというグダグダなプランで決行。面白い筈がない。
突入。入っていっても特に注目されず。奥の部屋にいる人には気付いてすらもらえない。キッチンの何人かが「あれ?どうしたんですか?」みたいな。



ヤバい。
ヤバいヤバい。
ヤバいヤバいヤバい。



とりあえず玄関で元気よくカンパーイって言って日本酒を飲んでみる。



失笑。
ヤバいヤバいヤバいヤバい。



キッチンにいた人達が奥の部屋に引っ込んで、あろうことか扉をしめやがった。つ、つめたい。それともあれですか?もう一回チャンスをやるから、しっかりやれという叱咤激励的なシャットアウトですか?
チェがここで逆に風呂入ったら面白くないですか?とか言い出す。面白くねーよ。決して面白くない。
風呂に入り、シャワーを出して入ったふりをする。音楽がかかってるから、シャワーの音に気付いてもらえない。

とにかく中途半端。仕方ないので奥の部屋に入っていって、当初のプラン通りに決行。しかし心が折れすぎてて、空気が淀みすぎててグダグダ。というかもう、泣きたい。
「はっ!!えーと。あれ、あれ、、を取ってくれへん?あそこにある猫耳鼻メガネ。。」
「あっ、ありがとう。えっと、じゃあ、、そういう感じで。あっ、俺ら、なんていうか、、忘れ物とりに来ただけだし。」
「うん、みんな楽しんで。じゃあ、、行こっかな。」「じゃあ、そんな感じで。」
家から逃げ出した。最悪。死にたい。マンションの入り口で茫然自失。
もうこのまま帰るしかない。このまま帰ったら、最高に面白くなかった上にわざわざ来てすぐ帰るという謎の行動が、ある意味伝説になる筈だ。よし帰ろう。と歩き始めた所に、買い物に出てた家主ともう一人のちっちゃい女と遭遇。
「なにしてるんですか?あなたがたは?普通に入って、普通に飲めばいいじゃないですか?」
「いやいや。もう戻れない。」
「もう、なに言ってるんですか。早く行きますよ。」
「じゃ、じゃあ、戻ってもいいけど。。」
戻った。飲んだ。飲まずにはやってられねえよ。こんな世知辛い世の中じゃさあ。やってられねえよ。
何人かつぶして2時か3時にタクシーで帰宅。