帰省ラッシュ

CHEとTDと俺の3人で一緒に帰省する計画をたてた。初めてだ。友達と帰省するの。
昼に起きたらけっこう頭痛い。昨日はグデングデンに酔ったからな。
14時に東京駅で待ち合わせ。うちから東京駅までは15分だから、13:40頃に家を出発しようとしていた。
で、13:40頃。「今起きましたわ〜。急いでいきますわ〜。」とのメールbyTD。そしてすかさず「まあ、俺だって遅れますよ。」byCHE。
おいっ!!お前らっ!!なんだその遅れて当然みたいな雰囲気は?欧米か?ラテン民族気取りか?
う〜ん。なんていうかさ。いいんだけどさ。ただ俺は遅刻する事はあるけど寝坊することってまずないからよく分からないんだよな。
俺が遅刻するのは寝坊じゃなくて、出かける前にもう1レベル上げておこうとか、せめて1回くらい音源は聴いておこうとか、うっかりTVに長澤まさみが出てたりとか、そういう事だから。
で結局15時集合。15:30発。帰省ラッシュの真っ只中。30分も並んだから一応座れた。でも席が離れたから一緒に乗った意味ない。
そして俺が座ったのは通路側の席だった。通路には座りきれない乗客が溢れ、座席にもたれかかってきたり、足に触れてきたりする。
やめて下さい。触らないで下さい。背もたれにもたれかかって揺らすのもやめて下さい。寸分も動かさないで下さい。
いやー、我慢出来ねえ。イライラする。触るなー。指一本触れるなー。ちくしょー。

俺の隣の通路にいた20歳くらいの男が床に座り込んであぐらをかき始める。あぐらは立っているよりも面積が余分に必要だ。その分、その汚い男の汚い膝や、汚い足首や、汚い足の汚い指や、汚いスニーカーの汚い裏側が、当然俺に帰属すべき座席の幅分のスペースにまで入り込んでくる。そして俺の綺麗な靴や、綺麗な靴下や、綺麗なパンツに触れてくる。マジでコロスよ?
そりゃあさ、それが可愛い女の子だったら許すよ?俺だって。いざって時には膝に乗せてやってもいい。ちょっと疲れたくらいでも俺の膝で休んでいい。
いや、むしろお願いですから俺に乗ってください。ああ、むしろこんな事言ってる俺を蔑んでください。罵ってください。
それとも、それが可愛いガキかなんかだったら、頭の一つも撫でて、「可愛い坊ちゃんどこから来たの?これでPS3買いなさい。」なんてお年玉の数万円もあげる所だけど。
そいつがまた、東北から来た漁師みたいな汚い男なんだ。なんか勘違いしたダンディズムを周りに押し付けて得意がってるみたいな。
とりあえず色抜いてみました的な安い茶髪。田舎にはたくさんいるんだ。ボサボサの安い茶髪。しかも断続的にタバコ吸って、缶コーヒーの空き缶に吸いがらを捨てる。少しくらいタバコ我慢しなよ。
汚いビニールのジャケットに、汚い汚いジャージのパンツに、汚い汚い汚いスニーカーに、汚い汚い汚い汚い靴下。
俺だって体を入れて、それ以上は一歩もひかないぞ、という決意で自分のテリトリーを死守したいんだ。でもさ、俺はその汚男(おお)に触れたくないからさ。その汚男(おお)が内側に入った分だけ、俺は撤退を余儀なくされるのさ。
通路側はそんなだし、窓側にも他の乗客いるからもう俺は微塵の身震いも許されない仕儀に陥って、プルップルしながら、足プルップルしながら、1時間半耐えた。
駅まで父が迎えに来てくれて帰宅。犬可愛い。本当の犬。マルチーズ。寝た。マルチーズと一緒に。